李晟達は沈近真に殺されかけたと供述し、出張を装って蘇州へ向かおうとしていた沈近真は駅で拘束される。しかし魏若来の機転によって捜査隊は証人である李晟達を失う。沈家を家宅捜索した林樵松も証拠を得られなかった。康少捷は沈近真が共産党員だと確信するものの、李晟達という証人を失った上に物証も得られず追い詰められる。

沈図南は康少捷に圧力をかけて沈近真を釈放させるが、妹は本当に共産党員なのではないかと感じて帰宅後に問い詰める。沈近真はそれを否定しつつも、家族を騙し続けている状況に苦悩する。こうした中、魏若来はひそかに李晟達への復讐を遂げていた。徐諾は金融面に長けた人材として、魏若来を共産党に引き込むよう沈近真に指示する。

上海での日々に見切りをつけ国外に向かおうと決めた林樵松。しかし出発直前に宋美娟を人質に取られ、やむなく康少捷に協力して違法なアヘン取引を引き受けることに。一方、魏若来は元婚約者の牛春苗（ニウ・チュンミャオ）が突然上海に押しかけてきたため、仕方なく自分の部屋に泊めることに。翌日、牛春苗は魏若来の親友の車夫・阿文（アーウェン）と共に商売を始める。

上海で偽造銀貨が出回り、中央銀行・警察局・軍法処の３者による合同捜査が始まる。しかし魏若来が捜査資料の護送中に襲撃され、沈図南は唯一護送ルートを知っていた警察局の仕業だと見抜く。その後、沈図南らは情報を集めて偽造銀貨の生産拠点がある場所を絞り込むが、現地を調べ始めた途端、捜査隊からある知らせが届く。

魏若来は捜査隊が“発見”した偽造銀貨の工場が偽物だと見抜き、沈図南は真の生産拠点の工場へと向かう。牛春苗や姜虎豪ら車夫たちも応援に駆けつけるが、偽造銀貨で甘い汁を吸ってきた警察は工場を包囲し、口封じのために車夫たちに容赦なく銃弾を浴びせる。沈図南は犠牲者の無念を晴らそうとするが、上層部から圧力がかかり…。

偽造銀貨事件の真相は闇に葬られ、魏若来は南京政府に不満を持ちつつも妥協する沈図南に疑問を抱き始める。牛春苗は魏若来に故郷に帰るよう勧めるが、魏若来は応じない。沈近真は魏若来に共産主義に関する本を渡し、銃の扱いを教える。やがて1932年、日本軍との間で緊張が高まり、魏若来が住む七宝街も火の海に包まれる。

日本軍との戦闘により上海の街は荒廃する。魏若来たちは日本軍と戦う十九路軍に命懸けで物資を届けることに。運搬中に敵に襲われた時、助けに現れたのは林樵松ら囚人による決死隊だった。日本軍が撤退すると沈図南は街の復興のため建設国債の発行へと動く。沈図南は各界に購入を呼びかけるが、その裏では虞世清が罠を仕掛けていた。

市民の間でも投資熱が高まり、魏若来は建設国債を購入すべきか大家の周たちから意見を求められる。建設国債の価格は高騰していき、多額の借金をしてまで債券を買った周や阿文たちは夢を膨らませる。しかし好調だった建設国債は空売りによって大暴落し、破産者が続出。沈図南には上層部から真相を究明しないよう指示が届く。

中央銀行を去った魏若来は、親しい人々の国債購入を止めなかったことに責任を感じて苦しむ。一方、上層部に失望した沈図南は自身も辞職の決意を固める。しかしジャン・ジエシーから“中正（ちゅうせい）剣”を贈られ、国債暴落の尻拭いを任されてしまう。建設国債のせいで命を絶った阿文たちの無念を思い、魏若来は真相究明を決意する。

魏若来は沈図南に国債事件の真相を伝えるが、沈図南は相手にせず魏若来との師弟関係を切る。魏若来は特別な方法で新聞社に真相を報道させ、黒幕たちの悪行を暴く。怒った庶民はデモを起こすが、捜査隊に復帰した林樵松は警察と共にデモを鎮圧。上海を離れる決意をした魏若来は、沈図南に最後の別れを告げるため中央銀行を訪れるが…。

捜査隊に連行された魏若来を救うため、沈図南は処刑場へと車を走らせる。沈近真と牛春苗に救出された魏若来は、共産党の根拠地であり自身の故郷でもある江西省へと向かうことに。林樵松は沈近真の勤務先である造兵廠に立ち入って捜査を行う。捜査の手はやがて徐諾の鴻芳服飾店へと伸びる。徐諾は魏若来だけを逃がし…。

給油所で待ち伏せしていた林樵松たちから沈近真を逃がすため、沈図南はオイルタンクに車をぶつけて爆発を起こす。沈図南が意識が取り戻した時、南京政府は共産党員をかばった沈図南の職位を剥奪し、訃報まで流していた。一方、江西省に逃れた魏若来、沈近真、牛春苗の３人は国民党のスパイと疑われ共産党に拘束されてしまう。

共産党への加入をためらう魏若来だったが、住民に寄り添って行動する共産党員の姿を見るうちに決意を固め、中華ソビエト国家銀行で働くことに。その頃、家族と渡英を考えていた沈図南は、共産党の資金源となっているタングステン鉱石の取引規制を提案した文章が評価され、ジャン・ジエシーに引き止められる。一度は辞退した沈図南だったが…。

死んだことになっている沈図南はトゥー・ナンシェンと名を変え、共産党の根拠地である江西省へ家族と共に派遣される。林樵松も恋人の宋美娟と共に江西省へ行き、沈図南の監視とサポートを行う。沈図南は共産党との闇取引を行う商人や軍関係者を厳しく取り締まるとともに、輸送ルートの封鎖や偽札のばらまきによる共産党への経済攻撃を進める。

沈図南は共産党に対する経済封鎖を徹底するが、現地を仕切っていた広東軍旅団長・銭逢時（チェン・フォンシー）との対立が深まる。また、共産党との闇取引を行っていた者を処刑したことで恨みを買い、家族までも危険にさらされる。その頃、共産党側は偽札への対策を進めていた。魏若来と沈近真は偽札の出どころをつかむべく、変装して任務に出る。

沈図南との再会を果たした魏若来と沈近真。魏若来は事前に偽札工場の場所を割り出しており、仲間も現場に駆けつける。沈図南は共産党の捕虜となり、死刑が確定する。共産党の根拠地であるソビエト区の庶民の生活を目の当たりにした沈図南は、その様子に心を動かされる。処刑の前夜、火事に乗じてある人物が沈図南を逃がし…。

魏若来は広東軍の銭逢時と接触し、塩を購入しようと交渉する。沈近真は入院中の魚児にひそかに会いに行く。国民党陣営に戻った沈図南は共産党に対する経済封鎖を継続するも、塩にヒ素を入れるという林樵松の極悪非道な策は阻止する。一方、林樵松の指示を受け共産党に潜入していた宋美娟の兄・宋寿田（ソン・ショウティエン）は、沈近真たちに正体を暴かれ…。

林樵松は共産党の銀行を次々と襲撃して民心を動揺させる。魏若来は銀行の信頼を回復しようと展示会を開催するが、林樵松はその会場に爆薬を仕掛けていた。経済面で追い詰められた共産党は、ジャン・ジエシーと対立する陳済棠（チェン・ジータン）にタングステン鉱石を売るべく魏若来を広州に派遣する。この取引を阻止すべく沈図南と林樵松も広州へ向かう。

陳済棠の配下・閻祐民（イエン・ヨウミン）に売るはずだったタングステン鉱石が林樵松に差し押さえられる。沈図南はこの鉱石をハンスに売ろうと価格交渉するが、魏若来は国民党側の底値を事前にハンスに伝え、更に沈図南の筆跡で偽の書類を作成する。林樵松らは偽の書類を信じて鉱石を引き渡し、鉱石を取り戻した魏若来はハンスとの取引に成功する。

国民党の攻撃で共産党は根拠地からの移転を余儀なくされる。魏若来は鉱石販売で得た資金で広東軍から戦略物資を買うが、閻祐民は利用価値がなくなった共産党からその物資を取り戻そうと企む。南京政府も物資を共産党に渡すまいと沈図南と林樵松を派遣。列車に各勢力が集い、それぞれの思惑がぶつかり合う最後の決戦が始まる。

金州で作家・説話人として人気の鹿南一（ろくなんいつ）。彼女の話本に薄情男として登場する林清秋（りんせいしゅう）は新任の知府だった！　1年半前、商家の娘・鹿南一と名家の若様・林清秋は駆け落ちを約束する仲だった。だが、どちらも相手から絶縁状を受け取り別れることに。そして今、二人は金州で再会するが、鹿南一が書いた物語をまねた殺人が起こり…。

林清秋（りんせいしゅう）は燃え盛る火から鹿南一（ろくなんいつ）を救出、殺人容疑が晴れたにもかかわらず町の人々からなじられる鹿南一を守るべく役所へ連れ帰る。すると、鹿南一が林清秋の相棒に志願、二人は一緒に二つの殺人事件の捜査に当たることに。これに林清秋の従妹で検視人の宮北音（きゅうほくいん）、鹿南一が好きで彼女の商売を助ける富商・傅聞淵（ふぶんえん）も加わって…。

林清秋（りんせいしゅう）は被害者の養子・姫信石（きしんせき）を尋問するが決定的な証拠がなく逮捕できない。だが、鹿南一（ろくなんいつ）は一足先に姫信石が井戸に捨てた凶器の手術刀を手に入れていて彼に罪を認めさせたのだった。その後、鹿南一は新たに怪異談を執筆することに。半年前、孫（そん）家の花嫁が新婚初夜に鯉の仙女となって昇天したという噂について調べ始めるが…。

鹿南一（ろくなんいつ）は昨晩、酔った彼女から林清秋（りんせいしゅう）に口づけしたと聞かされるが記憶にない。一方、傅聞淵（ふぶんえん）は月下老人祭で鹿南一に告白するつもりで伝言を残すが、行き違いで鹿南一は林清秋に、林清秋は鹿南一に呼び出されたと勘違い。二人が一緒に祭りを楽しむ間、傅聞淵は待ちぼうけとなる。その後、林清秋が鹿南一を鹿苑に送り届けると…。

鹿苑で振る舞われた酒の甕から死後半年の女性の遺体が発見された！　その女性は孫（そん）家の若様・孫仁（そんじん）に嫁いだ夜、鯉の仙女となって昇天したはずの江夢漁（こうむぎょ）だった。しかも遺体から傅聞淵（ふぶんえん）の指輪が発見され、彼女の玉佩を傅聞淵が持っていたことから、彼が間男の殺人犯だと疑われてしまう。そんな傅聞淵の無実を信じる鹿南一（ろくなんいつ）は…。

鹿南一（ろくなんいつ）は獄中の傅聞淵（ふぶんえん）に会って、江夢漁（こうむぎょ）を山賊から助けて玉佩をもらったと証明してくれる人物がいるかどうか確かめる。また、林清秋（りんせいしゅう）とともに孫（そん）家を訪ねて孫仁（そんじん）から話を聞き、新婚初夜に死んだ池の鯉に毒の痕跡があることを突き止める。そこで孫家の貯酒庫も確認することにした二人だったが、何者かに閉じ込められてしまい…。

宮北音（きゅうほくいん）が五色散で作った毒汁を捕頭・雷羽（らいう）が飲んでしまい幻覚を見て大暴れ。そこで鹿南一（ろくなんいつ）と林清秋（りんせいしゅう）は事件の夜、孫仁（そんじん）も毒汁を飲んで幻覚を見たと推理する。その後、孫仁の父親・孫秦九（そんしんきゅう）が現れて江夢漁（こうむぎょ）の玉佩を持って帰ると言い出す。この白魚玉佩は墨魚玉佩と対になる楼蘭古国の国宝。このことから孫秦九を怪しんだ二人は…。

都から突然、林清秋（りんせいしゅう）の許婚・聞若汐（ぶんじゃくせき）の異母妹・聞雲汐（ぶんうんせき）が林清秋を訪ねてくる。林清秋は再三、聞若汐に破談を申し入れる書状を送ってきたが、彼の意向が全く通じていない様子に当惑。一方、釈放された傅聞淵（ふぶんえん）は鹿南一（ろくなんいつ）に求婚しようと決意する。それを知った林清秋は一歩先んじて鹿南一を連れ去ると、彼女に正直な気持ちを告白して…。

誤解が解けてよりを戻した鹿南一（ろくなんいつ）と林清秋（りんせいしゅう）は雷羽（らいう）、宮北音（きゅうほくいん）とともに都へ。江夢漁（こうむぎょ）を殺した後、棺の中で絶命したと思われる包盛（ほうせい）と孫秦九（そんしんきゅう）の過去を探ることにする。都に到着すると林清秋は実家の安定王府には寄らずに鹿南一と京兆府を訪ね、犬猿の仲の長官・陸白（りくはく）に挨拶。そこに滞在することにすると、独りで聞若汐（ぶんじゃくせき）に会いに行くが…。

都で幽霊画殺人事件が発生！　この10年、幽霊画を手にした者が必ず焼死しているというこの怪奇事件に鹿南一（ろくなんいつ）と林清秋（りんせいしゅう）は興味津々。まず、当主が死んだ銭（せん）家を訪ねて第二夫人・祝児（しゅくじ）から話を聞き、女性の幽霊が取り憑いていたという絵を調べる。また、林清秋は陸白（りくはく）にどちらが先に事件を解決できるか賭けをしようと持ちかけて…。